単球AMラジオコンペ 応募作品と評価結果 (作品番号 2)
最新改定 2018.May.31 単球ラジオコンペ事務局

作品番号2 写真1小 作品番号2 写真2小 作品番号2 写真3小 作品番号2 写真4小
作品要旨 作品説明 写真等 回路図 評価等

<作品要旨>

 大脇さんの 12BY7Aによるレフレックスラジオです。
 以下に当該作品の製作者から提供された作品説明等を掲げます。


<作品説明> 作品番号 2

1.作品名:From junk-box with love(ジャンク箱より愛をこめて)
   型番:1-V-4989(1球で四苦八苦)

2.製作者:大脇 伸太郎 JA3EGW

3.方式名:5極管レフレックス(再生付RF増幅/AF増幅) 検波:ダイオード倍電圧

4.仕様:

 供給電源/ 一般家庭用 AC100V 50/60Hz
 真空管名/ 12BY7A

5.回路構成:回路図参照

6.操作要領:

 操作要素/ 前面パネル:POWER(電源)、VOL(音量)、REGENE(再生)、TUNING(同調) 
       後面パネル:アンテナ端子「ANT-1(赤)、ANT-2(白)、GND黒(黒)」
             入力切替(ラジオ/外部入力)、出力切替(内部SP/外部SP)
             外部入力端子(RCA座)、外部SP端子(2Pネジ止)
             AC100V端子

       (ループアンテナ) 円形ダイヤル部:中央赤色ツマミ(アンテナ同調)、
                スライドスイッチ(CRYSTAL RADIO←→LOOP ANTENNA)
                アンテナ台部 後面:アンテナ出力(ANT)、ラジオ音声出力(RADIO)


 操作要領/

 (1)セットアップ
  @後面の「AC100V端子」に附属のACコードを接ぐ。
  A「入力切替スイッチ」は「左(ラジオ)」にセットする。
  B「出力切替スイッチ」は「左(内部SP)」にセットする。
   ※外部スピーカを使うときは、外部SP端子に接ぎ、「出力切替スイッチ」を「右(外部SP)」にセットする。
  C附属のループアンテナを使うときは、アンテナ台部後面のANT端子(RCA座)に附属のケーブルのプラグを接続し、
   ケーブル他端の芯線側(赤)を本機の赤端子(又は白端子)に、シールド側(黒)を黒端子に接ぐ。
   附属ループ以外のアンテナを使うときは、短線アンテナは赤端子、長線アンテナは白端子に接ぐが、
   良く聞こえる方に接ぐ。 アースは黒端子に接ぐが、なくてもよい。

 (2)初期状態
   ・電源スイッチ : 下(OFF)
   ・音量調整 : MIN 又は中間位置
   ・再生調整 : MID(中間位置)
   ・TUNING  : 任意
   ・ループアンテナのスライドスイッチ:右(→LOOP ANTENNA)
    ※ループアンテナには、鉱石ラジオが組み込んであり、本機のアンテナとして使う場合は、
     上記のスライドスイッチにより切り替える。

        (3)電源投入
   ・電源スイッチをONにする。
    回路が正常であれば、ダイアル内が黄色に、指針が赤に点灯する。

 (4)受信要領
  @TUNINGツマミを回して、希望周波数の放送局を受信する。
  Aループアンテナを使う場合は、受信状態が良くなるように、
   ループアンテナの位置、方向、アンテナ同調ツマミを調整する。
  B受信したら再生ツマミを右へ回すとサーという音と共に音量が増す。
   再生が強くなリ過ぎるとピーという発振音がするので、その手前に調整する。
  C適当な音量になるよう、音量ツマミを調整する。
  D弱い局を受信するときは、後面のアンテナの赤端子と白端子の接続を変え、
   上記@〜Cを繰り返して、一番良く受信できるように調整する。 

 (5)注意事項
  弱い局を受信しようとして、再生を強く掛ける(再生ツマミをMAX方向へ回す)と、
  ビート音が混ざったり、音が歪むので、きれいな音で聞こえるように調整すること。
  ※再生を掛け過ぎてビート音が出る状態では、他のラジオにも同様の妨害を与える。


7.その他 (製作者特記):
 ・作品名どおり、できるだけ手持ち部品を利用したが、高一コイル、バリコン、スピーカー等は、
  通販やヤフオク、日本橋のパーツ店で購入した。
 ・ループアンテナは、雑誌「大人の科学マガジンVol.4」付録の「鉱石ラジオキット」のものを流用(改造)した。
  ループアンテナは室内アンテナに最適である。
 ・回路方式は、一番成功率の高いと思われるレフレックス型で、これを足掛かりに、
  2号機として「スーパーヘテロダイン型」を作る予定であったが、1号機で息切れした。
  当初、中波帯と舐めてかかって、強烈な自己発振に悩まされた。
  レフレックス型でも、個々の構成部品を最適化すれば、相当実用性の高いラジオができそうだ。
 ・私の作品は、性能的にもデザイン的にも凡庸であるが、
  特徴としては、
  @入力側を低インピーダンスC結合の複同調回路にして、高い周波数帯での選択度を稼いだこと。
  Aプレート側は、トロイダルコイルの1:1(25t:25t)トランスによる非同調で、
   1.5tの3次コイルから低インピーダンスでグリッド側コイルの再生巻線へ正帰還(再生)を掛け、
   比較的広い範囲で再生調整可能にしたこと。
   (本機のトロイダルトランスはロスが多く、自己発振対策となるが、感度も下がる)
  Bトロイダルトランスの2次側にダイオードクリッパー回路を入れて、再生による発振強度が過大にならないよう
   振幅制限した。超ローカルに放送局があるような場合は、AGC的な動作も期待できるかもしれない。
  Cダイヤル目盛板に、周波数のほか当地で受信できる関西7放送局の略称を記入し、同調しやすくした。
  D室内アンテナとして、上述のループアンテナを使用。但し、ロングワイヤ―なども使用可能である。
  E音楽プレーヤーや鉱石ラジオ等の他の音源が入力できるよう、外部入力端子を設けた。
  F良い音で聴くための、外部SP端子を設けた。
 ・本機は、まだまだ課題を残しており完成度は低いが、「1球でSPが鳴るラジオ」の目的は一応果たしたと思う。
 ・本機の製作途中で、他の参加者の素晴らしい作品にふれ、大いにインスパイアされると共に、
  ラジオ少年だった時代にタイムスリップすることができた。

 ・今回の単球ラジオコンペは、知的な遊びとして楽しむイベントであり、他者の作品との優劣を競うのではなく、
  あくまで自分への挑戦の機会を与える場として、すばらしい企画であると思います。



<写真等>

 当該作品の製作者から提供された写真です。補助的な説明は事務局によるものです。

写真1: 同調ダイアル窓はベゼルまで付いて本格的です。
作品番号5 写真1
写真2: 4989(四苦八苦)、おもしろいですね。
作品番号5 写真2
写真3: 学研もびっくりでしょうね。
作品番号5 写真3
写真4: 生基板材シャーシ、ちょっと今風ですね。
作品番号5 写真4

<回路図>

作品番号5 回路図


<評価等>

A.基本規約への適合
 
項目 評価属性 結果 補足
 大きさ 定量 満足  
 構成 定量 満足  
 電源 定量 満足  
 回路への制約 定量 満足

B.機能・性能

項目 評価属性 結果 備考
 受信操作性 官能 2A
 受信周波数範囲 定量 満足
 受信感度計測 定量 下表を参照  
 音響出力の忠実度 定量 実測結果(クリック)  
 外部影響 定量 満足  

周波数/RF入力 10uV 100uV 1mV
531KHz --- 33.7 dBA 59.8 dBA
T>C H>A N>B T>B H>A N>B T>A H>A N>A
1000KHz 43.2 dBA 61.4 dBA 75.7 dBA
T>B H>A N>A
T>A H>A N>A T>A H>A N>A
1602KHz --- 31.0 dBA 56.1 dBA
T>C H>A N>A T>C H>A N>B T>A H>A N>A

C.独自性・固有性

項目 評価属性 結果 備考
 全体着想 官能 2A 評価コメント(クリック)
 方式官能 2A
 回路 官能 2A
 適用部品 官能 2A
 その他 官能 2A
 意匠デザイン 官能 2A 評価コメント(クリック)




改定来歴:
 2018.May.31 評価結果を追加
 2018.May.15 作品製作者へのレビュー用





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