単球AMラジオコンペ 評価計測要領(素案)
最新改定 2017.Sept.26  単球ラジオコンペ事務局
   <目次>
1. まえがき
2. 評価計測項目
3. 評価計測要領
4. 機材一覧
  関連資料

1.まえがき

 単球AMラジオコンペにおける各位応募作品に対し主催側が実施する評価計測の項目、具体計測要領等を定めたものです。

2.評価計測項目

 次の2つの着眼を展開し3群全15項目からなる 確認および評価計測 を全作品に対し実施し記録する。

 1)ラジオとしての操作性と受信性能の電気的・音響的定量評価
 2)着想・方式・回路等のユニークさ、起用部品の珍しさ、デザイン性等々の多様な評価

A. 基本規約への適合 項目数 4
B. 機能・性能 項目数 5
C. 独自性・固有性 項目数 6

3. 評価計測要領

A.基本規約への適合

(1)大きさ

 作品送り先への輸送荷姿寸法 または 手持ち搬入での作品形状から主催側が推定した仮想梱包寸法にて適合を確認する。

(2)構成

 筐体構成が規定のバリエーションのいずれかに該当することを確認する。

(3)電源

 供給電源仕様が規定のバリエーションのいずれかに該当することを当該参加者の 単球AMラジオコンペ作品説明書 にて確認する。

(4)回路への制約

 回路への制約事項がすべて満足していることを当該参加者の 単球AMラジオコンペ作品説明書 付属回路図 にて確認する。


B.機能・性能

(1)受信操作性

 当該参加者により作成された 単球AMラジオコンペ作品説明書の 操作要領の記述内容 に沿い 審査者が作品を実際に操作し 受信動作の操作性を評価する。 その際 作品説明書の当該操作説明自身も評価範囲として取り扱う。

(2)受信周波数範囲

 指定の受信周波数範囲がを包含していることを次の3つの離散周波数の模擬信号を疑似アンテナ回路を介しアンテナ端子にAM変調波を与え聴感確認する。
       周波数 L : 531 KHz  周波数 M :1000 KHz  周波数 H :1602 KHz

模擬アンテナによる接続

 なお、作品に内装のアンテナのみを使用する方式の場合は、後述(*1)の方法で行う。

(3)受信感度計測

 AM変調波模擬信号を標準疑似アンテナ回路を介しアンテナ端子に与え音響的出力レベルがある一定値に達した時のアンテナ入力電圧(信号発生器出力)と、その状態で変調信号をゼロとしキャリアのみとした時の音響的雑音レベルで評価する。
 この際の音響的出力レベルはいずれも人の聴覚に近いとされる Aスケール3分の1オクターブバンド特性の騒音計で計測を行う。
 なお、作品に内装のアンテナのみを使用する方式の場合は、後述(*1)の方法で行う。

 単球AMラジオではRF系・AF系のトータルゲインの少なさから音響的なゲイン増大手段が一つの工夫要素であり 一般的なラジオ感度計測におけるAF系電気出力の終端負荷位置の電圧を対象とするとフェアな評価とならないため このような方法を採る。

(4)音響出力の忠実度

 評価対象は音響スピーカによる空間可聴音とし、発音源にあたる位置から0.5mの離隔位置での周波数スペクトルで評価する。
 1000KHzの搬送波を ホワイトノイズ信号でAM変調した模擬信号を疑似アンテナ回路を介し作品のアンテナ端子に与え、パソコン版簡易スペクトラムアナライザで到来音の周波数スペクトルを計測する。
 なお、作品に内装のアンテナのみを使用する方式の場合は、後述(*1)の方法で行う。

(5)外部影響

 他参加者の作品の受信を乱す電気的ノイズ、音響的騒音等の発生がないことを計測を通じ確認する。

*1

 遮蔽ループアンテナ(試験用機材)を使いあらかじめ電界強度計にて既知の評価用電界強度空間に当該作品を置くことで 疑似アンテナ回路接続による方法 と同じ入力電界強度の下でこれらを行うものとする。

既値電界強度空間による方法


C.独自性・固有性

 以下の評価項目に対し 5名(仮)の審査メンバが 各自の感性で各5段階評価を行う。

(1)着想

 全体を着想の独自性・固有性観点から眺めた評価

(2)方式

 機能、構成等よりなる方式に対し独自性・固有性観点から眺めた評価

(3)回路

 回路構成に対する独自性・固有性観点から眺めた評価

(4)適用部品

 適用部品の希少性や資源再利用に関する独自性・固有性観点から眺めた評価

(5)意匠デザイン

 デザイン性に対し独自性・固有性観点から眺めた評価

(6)その他特記事項

 審査メンバが特記に値すると評価した上記以外の事項


4. 機材一覧

 1) 標準信号発生器(SSG)
 2) 模擬アンテナ(アンテナシミュレータ)
 3) 電界発生ループ
 4) AFホワイトノイズ発生器
 5) コンデンサマイクロフォン
 6) PC版簡易FFTアナライザ


<関連資料>

 本計測要領の作成に当っては以下資料の関連部に準拠 あるいは そこでの考え方を参照した。

 1)JIS C 6102 群 AM/FM受信機試験方法

    JIS C 6102-1 第1部 : 一般的事項及び可聴周波数測定を含む試験
    JIS C 6102-2 第2部 : AM放送受信機


以上


改定来歴:
 2017.Sept.26 意見収集用の素案として作成