最新改定 2005-May-24
管球式高インピーダンスプローブの製作
   JH3FJA局より50オーム系入力の計測器は真空管回路を触るには相性が悪いのでサブミニチュア管を使いカソードホロアタイプのインピーダンス変換回路を作りたい旨のお話がありました。 FETによるハイインピーダンスプローブでは、不如意に+Bに触れたり、低い電圧の回路でも真空管リグの電源ON/OFFのサージでFETが飛ぶそうです。またダイオードの双対による保護回路はクリップが起こると周波数スペクトルが無茶苦茶になるので使い難いとのことでした。そこで手持ちのサブミニチュア管を使い製作してみたので紹介します。(JA1ENC)

<回路構成>
■回路図■
   手持ちのサブミニチュア型傍熱3極管である 5703を使ったごく一般的なカソードホロワです。カソード負荷を4:1の伝送線路トランスとして50オーム出力として整合させています。 ヒータ回路のフィルタは傍熱管ではありますが念を入れてあります。
+B電圧は63V〜90V辺りですが、電圧を上げカソード電流を増やすと出力側の4:1変換器がより整合条件に近くなるようで変換ロスを6.4dB程度にまで抑えられます。

<姿>
■姿■
   専用のプリント基板ではありませんが、サブミニチュア管1球分の基本回路をアートワークしたものがありましたでの、これを転用し製作したものです。
トロイダルコアの左が5703サブミニチュア管です。5678などのように断面が扁平な球ではなく丸断面です。5703の左上、2つの黒いビーズがヒータチョーク、その右がグリッド抵抗と入力のDCカットコンデンサです。左上の赤色電線が+B、茶色が6.3Vヒータ、黒がコモンで、電源に繋ぎます。

<特性>
■特性■
   左記はスペアナ(タケダの太古の機械・TR4110+TR4111とTR4151全てアナログ)で計測した周波数特性です。周波数スパンは0〜50MHz(1目5MHz)、入力レベルは0dBm(終端無し)です。+B電圧は63Vで変換損失は約8dBあります。
■特性■
   左記はJH3FJA局がネットアナライザ(アンリツMS3401A)により計測された低域側の特性です。 伝送線路トランスのインダクタンスを充分に大きくとったこと、出力側のDCカットコンデンサを設けず直結にしたことで、3dB下がりが21.3KHzとグリッド入力側のCRによるハイパス特性のみになるまで伸びています。なお、画面はX軸左端が1KHz、右端が10MHz、対数軸です。入力レベルは0dBm(終端無し)です。+B電圧は90Vで変換損失は6.42dBです。
    この画面の大判(193KB)     計測風景

<ケースに組んでみる>
   試作・計測が一段落しましたのでケースに組んでみました。
■ケース内部の様子■
■ケース外部の様子■

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