最新改定 2003-Oct-05
JA3ANF製作のプライマリーレギュレータ
■プライマリーレギュレータ回路図■
<回路説明>

 DC/DCコンバータの出力電圧の定電圧化手段として、出力電圧を検出してDC/DCコンバータの1次側をコントロールする方式があります。この機能を持つのがプライマリーレギュレータです。

 左記の回路は、入力DC電圧が12V、DC/DCコンバータの出力電圧が70V程度(B1電源)のものに適合します。
*を付した抵抗値を変えると入力DC電圧が6Vに適合します。(回路図はここ

 DC/DCコンバータの出力電圧をR13、R14、R15からなる分圧回路で分圧し検出電圧とします。この定数だと、×0.6〜×0.4に分圧されます。×0.6は回路図において摺動子が一番上にある状態、×0.4は同様に一番下にある状態です。この検出電圧と基準電圧を比較し、これらが一致する様にQ1のコレクタ電流が変化しフィードバック制御が行われます。

 基準電圧は、2つのツェナー電圧(ZD1とZD2)とシリコンダイオード(D1)の順方向電圧降下の和である32.6Vですが、正確にはQ4のベース、エミッタ間の順方向電圧0.6Vが居ますので、これを差し引いた32Vとなります。

以上より、制御動作の中心として調整設定できるDC/DCコンバータの出力電圧を逆算すると、32/0.6=53V から 32/0.4=80V となります。
(厳密には、ツェナーに流れる電流があるため、もっと範囲は狭くなりますが目安としてはこうです)

 検出電圧と基準電圧の比較結果(大小関係)でQ4のコレクタ電流が変化します。検出電圧が基準電圧より高ければコレクタ電流は増加し、低ければ減少します。これら変化によりQ4コレクタの電位が変化、Q3のベース電流の変化となり、同コレクタ電流が変化、最終的なQ1のコレクタ電流が変化することで制御が成立します。

■プライマリーレギュレータの写真■
 写真は、上記回路図の範囲を組み上げたものです。
茶色の3Pコネクタに差し込んだトランジスタがQ1。Q3、Q4は基板上の黒いやつです。

Q1、2SB850は多くは市場にありませんので、2SB869、2SB870、2SB872などを使ってください。また、Q3、Q4の2SC372は廃品種なので(ジャンク箱には多々あるでしょうが)2SC1815などの後継互換のものを使ってください。
これらを含め半導体類は、ここで通販が可能です。

<B2電源電圧用への分圧抵抗の変更>

 上記で説明の通りこの回路では比較電圧32Vが制御の中心点になりますので、検出電圧を作る分圧抵抗を適当に選んでやることで、任意のDC/DCコンバータ出力電圧に適合させることができます。
 下図は、DC/DCコンバータ出力電圧をB2電源電圧である135Vに適合する様に、抵抗値を検討したものです。R13を12Kオームに変更すると適合が可能です。 ■分圧抵抗検討の絵■


 これら回路では比較電圧である32V以下のDC/DCコンバータ出力電圧に適合することは出来ないので、その際は、ツェナーダイオードを1本短絡させ、比較電圧を16Vに下げてください。

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