最新改定 2004-July-31
PRC-10 Q&A集
実際に聞かれた質問、これが聞きたいだろうと言う仮想の質問、をまとめています。 その他お聞きになりたい事がありましたら遠慮なく ここへ連絡をください。可能な範囲で回答いたします。

機能・性能
構造・機構
回路・部品
付属品類
調整・校正
その他
000〜099
100〜199
200〜299
300〜399
400〜499
500〜599


Q000: 無線機としての性能はどうなんですか?
A000: アマチュア無線機として作られた6mバンドが運用できるポータブルトランシーバに比べれば、重いし、大きいし、出力は900mWと小さいし、自励の発振回路は周波数変動するし、そのくせ電力消費は大きいし・・・、性能面で胸をはって答えられるとしたら、その堅牢さ(機械的強度)でしょうか。電波を出すに徹した性能としては残念ながら勝てるアイテムは無いようです。ただし、50年前に設計されたものである事、現実的なフィールドで実使用された事を加味戴くと魅力は分かってもらえるではないでしょうか。

Q001: どれ位の距離まで交信できるのですか?
A001: マニュアルによれば、5マイル(約8Km)、使用アンテナと地勢の状況によって3〜12マイル(約5〜19Km)とあります。 運用支援/P10交信実験の記録 も参考になります。

Q002: 音が悪いと聞いたのですが?
A002: そんなことはないと思います。送信の変調音に対して言われているのでしょうが、ハンドセットのカーボンマイクエレメントの劣化に起因するところが大きいと思われます。マイクロフォン系を整備され十分な周波数偏移を得られますと改善されると思います。

Q003: BNC接詮のアンテナ出力は50オームなのですか?
A003: あの広い周波数域で出力インピーダンスが50オームとは思われませんが、計測した事がないで何とも不明です。ですが、アマチュア無線用の6mバンドのアンテナが問題なく使える事は確かです。

Q004: 普通の乾電池でどれ位の時間運用できますか?
A004: 乾電池の性能もピンからキリまであり一概には言い難いですが、目安として「A電池、松下の銀パナ単1の4パラ」、「B1電池、松下の黒006Pの7シリーズ、B2同8本」、「C電池、松下の黒単1の4シリーズ」の構成で、送信デューティ20%位で超連続10時間程度と思います。電源を切り断続使用するともっと持ちます。ともかくやってみられる事です。


Q200: サブミニチュア管ってどんなものですか?
A200: 1940年頃、米国において砲弾の中に内臓する近接信管(目的物に直接当たらなくても近接するだけで起爆する)等の飛翔体電子回路の小型化を強く意識して開発されたMT管を更に小型化した真空管です。
形状の小型化は、内部電極面積や保持寸法の縮小により電極間容量の低減やフィラメント電力の低減、耐振性の向上をもたらせ、航空機搭載用のコンパクトな無線機やハンディー型無線機(PRC-10がその1つです)にも適用されたようです。
後、1950年に至るまで民生用(ラジオ)への広がりもあったのですが、ミニチュア管(MT)に比べ大きな市場需要は作れなかったようです。

Q201: サブミニチュア管はどこで入手できますか?
A201: アポロ電子(秋葉原)小坂井電子(名古屋市)BM(加古川市) などで新品が入手できます。 また、中古で良ければ”求む”などに出せば反応はあると思います。


Q300: 専用のアンテナがいるのですか?
A300: 必須ではありません。フロントパネルにBNC接詮のアンテナ出力がありますので、ここにハム用のアンテナを直接あるいは同軸ケーブルを介して接続する事で運用ができます。更に簡便にはBNC接詮の芯線側に1.4m程度のビニール被服線などの電線を接続し他端を電線がピンと延びるよう保持するだけで実験は出来ます。


Q401: 修理や調整は大変そうですが?
A401: 一番古いもので50年前の製造品ですから楽ではありません。が、真空管以外の電子部品は非常に信頼度の高い物が使用されていますので、欠品(部品採りされ歯抜けになっている)が無い限り、関連ドキュメント、最小限の計測器、と強い意志(根性)があれば何とかなります。PRC-10ファンクラブメンバとコミュニケーション戴くとと、有効な支援が得られると思います。

Q402: 適合する調整ドライバが無いのですが?
A402: OMから借りるなりすれば良いと思います。

Q403: ダイアルドラム中心のネジに合う六角レンチが無いのですが?
A403: インチサイズの一般的な組レンチでは含まれないサイズですので、少し小さいインチサイズかミリサイズの6角レンチに銅箔を巻き適合するようにします。銅箔は柔らかいのでねじ穴やレンチを傷めません。

Q404: 有償で修理・調整作業を請けてもらえませんか?
A404: この趣味の趣旨から、基本は御自身で修理・調整されるのが良いと思います。


Q501: 日本でのファンはどれ位おられるのですか?
A501: よくわかりません。PRC-10だけに限定して傾注されている方は非常に少ないと思います。

Q502: 交信相手はいるでしょうか?
A502: まず、一般のアマチュア無線リグで6mFMバンドにQRVしてみてください。モードを問わずタヌキワッチをしている方は居られますので、コミュニケーションを持ち、PRC-10での交信をお願いしてみましょう。お相手は的確なレポートを得るため可能ならOMの方が良いでしょう。

Q503: 熱心なファンがおられる様ですが、どこが魅力なのでしょうか?
A503: 全真空管回路の無線機であること、6mアマチュアバンドをカバーする周波数範囲を持つこと、その外観・形状が何とも言えず魅力的であること、電池箱が大きく電源が作り易いこと、安定した動作にこぎ着けるまで努力が要ること、隅から隅までの回路・機構構造を理解するのに適当なハードウエア規模であること、小型であり狭いテストベンチ(机)でも修理等が楽しめること、等々さまざまですが、皆様の主観で魅力を感じて戴けたら良いと思います。

Q504: PRC-10を入手し、触ってみたいのですが?
A504: 調達支援/オークション情報を利用して入札に参加する、サープラス店で購入する、PRC-10ファンクラブに入会し会員から譲ってもらう、軍用無線機ファンの方が集まる掲示板無線機交換の掲示板で呼びかける、等の方法があります。

Q505: 電源作りが面倒なようですが?
A505: 単1電池と006P電池を使う電池アダプタならば、日曜大工店で材料を揃え、100円ショップで乾電池を買って来れば、日曜日1日で完成します。長時間の調整作業には向きませんが、本体が可動できる様になっているのなら充分に運用に供します。



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