● 電池管1R5 1本で作る3800KHzAM波オシレータ             ( 最新改定 2011-Jan-16, JH3FJA )

 1R5は電池管スーパヘテロダインラジオにおいて局部発振と周波数変換に使われているポピュラーな電池管です。これを1本だけ用いて3800KHzキャリア発振・低周波数発振・両者のAM変調を行うものです。機能的な意味合いより回路設計の頭の体操のようなものです。
 途中段階で計測した1R5の第3グリッド変調の基本データは何かに役立つかも知れません。

<回路> 回路図

(カソードは見えてないことにしてください、部品ライブラリが探せませんでした)

 レフレックスラジオに似た高周波回路と低周波数発振回路の重ね合わせ風になっています。 第1グリッド、第2・4グリッド(プレートの感じ)、フィラメントで3800KHz水晶発振回路を構成、これに第3グリッドを反転入力とする低周波発振回路が重畳、グリッド変調とRF発振部のプレート変調を行っていることになります。

 もともと電池管のgmは小さいので低周波発振を起こさせるにはプレート負荷インピーダンスを大きくとり電圧ゲインを稼ぎ発振条件になるようもって行きますが、抵抗負荷でのCR移相型発振回路ではプレート電圧が落ちることでRF出力の方が不利になり、なかなか妥協点がなかったので、奮発して1:3トランスを起用しています。 比3側をプレート負荷に、比1側を第3グリッドにします。 管内の電子結合分の効果もあり別ものの低周波発振電圧を与えグリッド変調するよりAM変調深さが稼げています。

 トランジスタによるマルチバイブレータとロードスイッチで1R5のフィラメント電圧を断続してますが、いくらかのフィラメント電圧を残し、RFキャリアは断続せず、AF発振だけが断続するようにしてあります。これが出来るほどAFの発振維持余裕が無いと言う意味でもあります。

変調波形の感じ
 RF出力はこのような変調波形になっています。AF波形はあまり褒めたものではありません。



<第3グリッド変調の特性> G3グリッド変調の特性回路図

 1R5の第3グリッド変調におけるプレート電圧、第3グリッド電圧、変調率の関係の実測データです。ミキサとして使う時も同じですが、ころ加減の組合せが読めます。


<屋外に持って行ける体裁にまとめる>
屋外に持って行ける体裁にまとめる

 FOXハンティングもどきにも使える様に軍用試薬セットの樹脂ケースに納めました。OD色の樹脂ケースでは最も安く手に入るものだと思います。


蓋を開けた感じ

 まー適当な体裁です。コルクシートはそのうちに樹脂板にします。


中身の感じ

 右上が+B電源部、左上がA電源(裏向いてますが古いニッカド単3、2本)、左下が回路部です。+Bは消費電流が1.5mA程度ですから006Pはもったいなくもあります。Hi



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