●H90/UハンドセットをH33風に改造する              ( 最新改定 2004-Sept-30, JH3FJA )

H90/Uハンドセットは、オーディオコネクタは付いてはいますが「有線電話系のハンドセット」で、EE-8(-A)フィールドフォン(野戦電話)のTS-9-Fハンドセット、同 EE-8-BのTS-13-Eハンドセットと仲間のものです。(他にはTS-15、H60ハンドセットも同じくです)これら電話系のハンドセットはオリジナルのままでは軍用無線機に適合しないので、内部配線を変更してH33ハンドセット風に改造します。「H33風」とは完全コンパチでは無いと言う意味で、オリジナルの4芯ケーブルのまま勝負するのでこの様なことになります。もし、ケーブルも変更されるのなら当然H33コンパチブルに改造が可能です。改造は主としてハンドセット本体のPTTスイッチ周りとオーディオコネクタ内で、必要な材料は、被覆が固めの電線を30cm程と熱収縮チューブが4cm程だけあればOKです。

H90オリジナルの内部接続 <オリジナルの内部接続>

改造前のH90内部接続はこうなっています。黄色の破線は肥満気味ですがハンドセット本体シルエットをイメージしてあります。左が送話器部、右が受話器部でPTTと付記したスイッチが握り部に付いてあるバタフライスイッチです。黄色の破線内でで表現してあるのはネジ止め端子で配線は電線側のフォーク型カシメ端子で接続されています。一番左のオーディオコネクタプラグから来る4芯ケーブルの各芯は送話器部で中継がなされ本体内部に配線されています。PTTスイッチにがないのは、ここがハンダ付端子だからです。
  印刷用回路図
H90改造後の内部接続
<改造後の内部接続>

大きくは2点変化しています。PTTスイッチの並列接続された2つのメイク接点を分離しキーイング用に独立回路にしてオーディオプラグの「F」に繋ぎます。そして受話・送話・キーイングの片線をコモンにとる関係でオーディオプラグ内で「B」と「E」をジャンパします。
  印刷用回路図
全7ステップ、順を追って詳細に説明します。 緑線接続を移動させる

■ステップ1 緑線接続を移動させる

受話部を12時の方向、カールケーブルの付け根を6時の方向として、2時の方向にある端子を緩め緑線をリフトします。一緒に居る白線はそのまま残置です。リフトした緑線を6時の方向にある空き端子に接続します。写真は空き端子に移動せさた後のものです。

PTT並列接続を分離
■ステップ2 PTT並列接続を分離する

PTTスイッチの並列接続を分離します。これでもかとばかり線を巻き付けハンダ付けされているので根気よく外します。いっそ全部を一度外してしまった方が楽からも知れません。ハンダが外れたら寄せてある(曲げてある)端子を小ぶりのラジオペンチで平行に整えます。この辺りは現物を見ると説明の意味が解ります。

追加の線を通す
■ステップ3 追加の線を通す

握り部のPTTスイッチ穴から送話部へ1本、同じくPTTスイッチ穴から受話部へ1本の追加の線(写真で緑色の電線)を通します。この時、送話部にあっては既に沢山の線が通っているので固めの被覆(剛性がある)を持つ電線を使い送話部から挿入するのが楽です。

追加の線をPTTに接続する
■ステップ4 追加の線をPTTに接続する

ステップ2のPTTスイッチの並列接続の分離により得られたメイク接点(何も繋がっていない方)に追加の2本の線(写真で緑色の電線)の端を各々ハンダ付けします。

追加の線を受話部に接続する
■ステップ5 追加の線を受話部に接続する

PTTより受話部に至る追加の線(写真で緑色の電線)を受話エレメントの中心、赤線側に接続します。ネジを緩めその下にハンダ上げした電線の端を挿入しネジを締め込みます。

追加の線を送話部に接続する
■ステップ6 追加の線を送話部に接続する

PTTより送話部に至る追加の線(写真で緑色の電線)を新緑線端子(6時の方向の端子)に接続をします。ネジを緩めその下にハンダ上げした電線の端を挿入しネジを締め込みます。

コネクタ内部でジャンパする
■ステップ7 コネクタ内部でジャンパする

オーディオコネクタプラグの蓋を開け、ピン「B」とピン「E」間に短い線をハンダ付けしジャンパを施します。

完成写真
<完成>

外観上は何も変化がありませんので完成写真の意味がありませんが、掲げておきます。



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