メカニカルギア同期 解説
STEP1.カムポジション位置調整
(1)調整方法
@ MCシャフトを回転させ、6BAND SWITCH ドライブギアを反時計方向で停止する「0.5〜1.0MC」位置にする。(図1)
A 6BANDのカムシャフトの内、「8〜16MC」位置に付いているカムシャフトを回転させて、カムの先端を黒線に合わせる。(図2)
B 6BANDのカムシャフトの内、「0.5〜1.0MC」位置に付いているギアのクランプを緩める。
C カムシャフトを回転させて、カムの先端を黒線に合わせる。
D 「0.5〜1.0MC」位置に付いているギヤクランプを締め付ける。
E 6BANDのカムシャフトの「0.5〜1.0MC」、「1〜2.MC」、「2〜4.C」、「4〜8MC」、「16〜32MC」位置も同様に、
カムシャフトを回転させて、カムの先端を黒線に合わせる。
F 全てのカムが黒線一になっている状態で、ダイヤル左右にあるギアクランプを緩めて、ダイヤル指示値を「07+000」に合わせた後、
ギアクランプを締め付ける。
(注) ZERO ADJクラッチギアのクラッチ位置は中心にあること。(図3)
(2)確認方法
@ MCシャフトを回転し、6BAND SWITCH ドライブギアが「0.5〜1.0MC」位置になったとき、MCダイヤル表示が「00」である
ことを確認する。(図4)
A このとき、10TURN STOPは回転余裕があること
B 6BAND SWITCH ドライブギアのストッパーで停止であること
(注) BAND SWITCHの設定は後述する。
STEP2.MC/KCシャフト10TURN STOP位置調整
(1)MCシャフト調整方法
@ MCシャフトのギアクランプを緩める。
A MCシャフトを反時計方向停止位置にして、MCシャフトのギアを回転させ、MCダイヤル表示を「99と00の中間位置」に設定する。
B MCギアクランプを締め付ける
(2)KCシャフト調整方法
@ KCシャフトのギアクランプを緩める。
A KCシャフトを反時計方向停止位置にして、KCシャフトのギアを回転させ、KCダイヤル表示を「964」に設定する
B KCギアクランプを締め付ける。
STEP3.6BAND SWITCH位置調整
(1) 調整方法
@ ダイヤル表示を「07+000」に合わせる。
A RFバンドスイッチシャフトのクランプを緩める。(図5)
B テスト端子「E208」とRFコイル「T204」の4番端子間の導通をテスターで測定する。
C RFバンドスイッチシャフトを回転させて、導通がある位置で止める。
D RFバンドスイッチシャフトのクランプを締める。
E MCシャフトを回転させて、7MC→8MCに切り替わったとき、テスターの導通が無くなることを確認する。
F ダイヤル表示が8MCのとき、テスト端子「E208」とRFコイル「T205」の4番端子間の導通があることを確認する。
STEP4.Xtal Osc Band Switch位置調整
(1)調整方法
@ ダイヤル表示を「07+000」に合わせる。
A 全てのカムの先端が黒線に合致していることを確認する。
B Xtal Osc Band Switchのギヤクランプを緩める。
C Xtal Osc Unitの周波数表示ドラムを手で回転させて、周波数表示を7MCに合わせる。
D Xtal Osc Band Switchのギヤクランプを締め付ける。
STEP5.PTOセッティング
(1)セッティング準備
@ AC電源プラグが、コンセントから抜いてあることを確認する。
A 390A本体を電源ユニットが付いている側を下にして立てる。
B PTO後部に付いているスタンドオフパネルのシャーシー取付ネジ2個を外す。
C PTO本体に電源コネクタを付けたまま、390A内部配線に接触しないように布を巻き付け、PTOの回転シャフトを手で操作できる
状態にする。
D 前面パネルのFUNCTION SWが「OFF」であることを確認する。
E PTO発振出力コネクターから、周波数カウンターの測定端子に接続し、カウンター電源を入れて周波数測定が出来る状態にする。
F テスターで、AFユニットのDC150V測定端子が測定できるように準備する。
G AC電源プラグを入れる。
H FUNCTION SWを「MGC」位置とする。
I ダイヤルランプが点灯し、異音・異臭が無いことを確認する。
J DC150Vを測定し、出力電圧を確認する。
K 周波数カウンターに周波数表示があることを確認する。
L PTOのシャフトを回転させて、発振周波数を「2955KC」位置とする。
M FUNCTION SWを「OFF」とする。
(2)オルダムカップラ取付
@ オルダムカプラのPTO側・接続金具・パネル側のそれぞれをグリスアップする。
A オルダムカプラの3つの部分を噛み合わせる。
B 噛み合せ状態の確認は、パネル面からKCシャフトを回転させて、オルダムカプラ接合金具のスライド状況を確認し、
スライドストロークの大きさやギャップの不均等が大きくないことや、PTO側・接続金具・パネル側の円周部が、
ほぼ正対状態であることを確認する。(PTOシャフトとパネル側ドライブシャフトが直線上に配置されている状態)
C もし、直線状態ではなくオフセンターのときは、PTO前面スタンドオフパネルの3つの取付ネジ止め位置左右上下を調整して直線上
に修正する。
D PTOの固定ネジ(グリーンネジ3本とB項のネジ2本)を締め付けて、PTOを完全に固定し、パネル面からKCシャフトを回転させて、
回転トルクが均一であることを確認する。
E オルダムカプラのバックラッシュ防止スプリングを装着する。
(3)発振周波数調整
@ オルダムカプラのKCシャフト側に付いているクランプを緩めておく。
A ダイヤル表示を「500KC」にして、ダイヤルロックを掛けてKCツマミを廻し、左右回転余裕角の中央位置で停止させ、ダイヤル
ロックを外す。
B PTOの発振周波数が「2955KC」になるように、周波数カウンターの表示を見ながら、オルダムカプラを手で回転させる。
C 周波数カウンター表示「2955KC」、390Aダイヤルカウンター「500KC」の状態でオルダムカプラのKCシャフト側クランプ
を締め付ける。
D PTO発振出力コネクターP717をRFユニットのJ217に接続する。
STEP6.ギヤ同期調整のポイント
@ディファレンシャルギアのクリックストップポイントの調整は、
・ ロストモーションギアを「00」MC位置に止めて、ロストモーション駆動ギアのクランプを緩める。
・ ディファレンシャルギアをクリックストップポイントに止める。
・ MCドライブシャフトのクランプを緩め「99-00の中間」位置で、10Turn stop状態とする。
・ MCドライブシャフトのクランプを締め付ける。
・ ロストモーション駆動ギアクランプを締め付ける。
以下の調整は「07+000」にてセッティングする
A 2-4/4-8/8-16/16-32のギヤは、「16-32←8-16→4-8→2-4」の順序でセッティング するため、このグループの同期は
2-4のギアクランプを緩めて調整する。
B 0.5-1.0/1.0-2.0のギヤは、「1.0-2.0→0.5-1.0」の順序でセッティングするため、このグループの同期は0.5-1.0の
ギアクランプを緩めて調整する。
C Xtal Osc Band Switchのギヤクランプを緩め、周波数表示ドラムを手で回転させて、周波数表示を7MCに合わせ、ギヤクランプ
を締め付ける。