最新改定 2004-Dec-22
PRC-10(A)用DC/DCコンバータ電源の製作
   PRC-10(A)用の電池で使うDC/DCコンバータ電源へのトライ情況です。 当局の感覚での試行錯誤が一段落つきましたので発表します。 決して完璧なものではありませんのでその旨御理解戴き追試・改良戴ければ幸いです。(JA1ENC)

<出力電圧の設定>
   まず、PRC-10に対して供給電圧が低下した場合、PRC-10自身の動作に影響が現れ始める各電圧値を調べて見ました。
   受信時:A電圧が1.15Vを割り、B1電圧が55Vを割ると、受信音量がはっきり低下して来て、受信感度低下も現れ始めます。
   送信時:C電圧が4.8Vを割ると、送信出力レベル低下が現れます。 この試験結果より、当局の各電圧設定値は
          A電圧 =1.3V    B1電圧=60V    B2電圧=B1+約60V    C電圧 =5.2V
とする事にしました。
■回路図■
<最終的な回路図>

  左の回路図の大判
  1.5&6Vレギュレータ

   2石自励式DC/DCコンバータでRoyer(氏)回路と呼ばれるものです。 トランスの3つの出力巻線からA電圧、C電圧、B電圧用の各交流電圧を得ます。
   A電圧用の整流は電流が大きいためショットキーダイオードを使い順方向電圧降下によるロスを低減しています。 A電圧およびC電圧のレギュレータは上のリンクをクリックしてください。 B電圧は倍電圧整流でB2電圧を倍しない半波整流でB1電圧を得てあります。
   図の左下3石はシリーズレギュレータを構成しており、B1電圧値を検出して2石自励式DC/DCコンバータの電源電圧をシリーズドロッパでの電圧降下をコントロールすることで制御をします。 これら3石のシリーズレギュレータ部分はPRC-10(A)の電源スイッチを経て回路コモンに落とす構成とすることで、電源ON/OFFを実現しています。OFFでのシリーズレギュレータトランジスタからの漏れ電流は無視できる程小さなものです。
   部品類については、トランスのコア材を除き比較的容易に入手可能なもので構成することができました。
   なお、参考にしました記事は、プライマリーレギュレータの実験(JA3ANF)AQ-2-A等の回路分析(JH3FJA)等で、JA3ANF局からは色々とご意見ご指導を戴きました。

<性能計測結果>

   電源電圧変動に対する性能計測結果を示します。 必ずしも優等生ではありませんが実用出来る範囲にあるのでは、と判断しております。     性能データを見る

■DC/DCコンバータ電源の外観■
<ケースに組んでみる>

   検討・試作・計測が一段落しましたのでケースに組んで電池箱との相性を見ました。色々なバッテリーに対応出来るように「羊羹状」にする事とし、タカチのケースMB-11(奥行き150mm×巾80mm、アルミ材)に組込みました。このケースは、板厚が1mmと柔なので、パワートランジスタの放熱が心配でしたが、電源入力13.5V時で、受信30分通電してもケース全体は殆ど温まらず、連続送信5分でもちょっと温まる程度で心配した程の発熱は見られません。(室温が20℃と低い事も有るかも知れません)
   コンパクトな本体により2次電池側の形状をあまり制約しないので、廉価なジャンクのバッテリーの利用裕度が広がりトータルとして経済的に遊べると思います。
■内部の様子■
<ケース内部の様子>

   2.54mmピッチ格子ランドの ごく一般的なユニバーサル基板に組んであります。

  この写真の大判

<色々な電池との組み合わせ相性>
■ニッカド電池と■ ■鉛シールバッテリーと■ ■軍用リチウム電池と■
   左は、単1型ニッカド10本組12V5Ahの使用例です。 スペース的な余裕は充分ですし、これでも送受デューティー50%/50%の時、5時間(計算上)程度の運用が出来そうです。
   中央は、秋葉原の秋月通商で販売されている6V、4Ah仕様の鉛シールバッテリー2個を直列使用した姿です。なお、このバッテリーは2個で1500円です。
   右は、軍用リチウム電池BA-5598/U2個との組合せですが、充分なスペース余裕をもって電池箱に内装出来ます。なお、  BA-5598/Uリチウム電池についてはここ(JH3FJA局のHP)ここ(同様)が参考になります。

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