単球AMラジオコンペ 応募作品の評価結果
最新改定 2018.May.31 単球ラジオコンペ開催者

1.評価の位置づけ

 世の中のどのデザインコンペも基本は開催側の価値観が選考順位付けへの最大要素となっているわけですが 参加者やコンペを眺めるみんなが何らかの観点でその結果に満足を得るには無理があります。 単球AMラジオコンペでは既に感じて戴いての通り「誰もが楽しめる」というコンセプトで展開しており、評価行為を次のような位置づけとしています。
 ここでの評価は総合的な選考順位付けを決定付けようというものではなく 「応募作品のキャラクタの浮かびあげ・鮮明化」 が目的です。平易に言えば同じ尺度でみた特徴の抽出だと思ってください。

2.評価の結果

2.1 結果の要旨

 評価項目と結果のマッピングを以下に示します。 評価の属性が官能評価(評価者の五感・感性による評価)のものでは 3A:特に優れている、2A:優れている、A:比較的普通(2Aまでは至らない) のランク付けを示しています。 2重丸は規定の計測要領に沿い測定データが得られたものを示しています。 また、×は当該評価項目を満足できなかったという意味です。

 なお、全体的な評価要領については 「単球AMラジオコンペ 評価要領について」 を参照ください。

 

2.2 基本規約への適合評価

 全19作品のうち 1つの作品は「悪意なきギミック」でした 、これを除く18作品の 「大きさ」、「構成」、「電源」、「回路への制約」 からなる基本規約のすべてを満足していました。



2.3 機能・性能の評価

(1)受信周波数範囲

 全18作品のうち1つが規定の受信周波数範囲をカバーできないものがありました。残る17作品は 下限531KHz、上限1602KHzをカバーされ、規定を満足していました。

(2)受信感度計測

 18作品の計測結果は次の通りでした。 棒グラフの無い作品番号や計測条件は 信号トーンの受信がどう調整しても出来なかったものです。 SG出力でみて1mV、100uV、10uVの統一した3入力条件での計測としていますが、規格のアンテナシミュレータ(L型アンテナ模擬のパッシブ回路) を受信機との間に挿入していますので供試ラジオの入力端では概ねこれより14dBほど低減したレベルになっており これらはかなり小さなRF信号レベルです。 RFエア入力で計測の供試体にあっては等価なRF有線入力値を入力レベルとして統一的に表現しています。

 なお、当該の計測要領は、「単球ラジオコンペ 感度計測要領」 をご覧ください。

RF信号1mV
RF信号100uV
 RF信号10uV


(3)音響出力の忠実度

 「応募作品と評価(音響忠実度)」に計測結果を示します。各作品に対する寸評をスペクトル図の下に一行書き入れてあります。

 低域から高域まで一様な音再生の観点では作品番号18a、18bが優れていました。
 梱包状態で3辺合計80cm以下というサイズ制限下での音響ダクトや音響ホーンはどうしても小径・短路となり音圧は稼げるものの周波数特性ではその乱れの要因になったようです。そのような中、作品番号5での小型トランペットスピーカを金属ケースに内包、上手い配置で音響的に一体化してしまう構造は効果的でした。

 なお、当該の計測要領は、「単球ラジオコンペ 音響忠実度計測要領」 をご覧ください。



2.4 独自性・固有性の評価

(1)全体構想〜適用部品、その他

 3名の評価者による評価コメントとランク付けを収集し後者は1本化したランク(A,2A,3A)として発表しています。評価コメントは以降設計製作の参考になる事項も沢山あり包絡版(重複コメントは整理)をそのまま公開しています。
 「単球AMラジオコンペ 評価におけるコメント 」にこれら評価コメントを掲げます。

(2)意匠デザイン

 小型電子機器での業務経験のあるプロの工業デザイナ1名に評価戴きました。 逆算的コンセプト想定に現物を投影した眺め方でのアドバイスが沢山あり非常に参考になる評価コメントでした。
 「単球AMラジオコンペ 応募作品と評価(意匠デザイン) 」に結果を示します。






< さいごに >

 今回の作品に対する評価については、いろいろな条件を加味して 一括して表現できること、また項目別にも表現できること等への配慮から、このような形でまとめました。 
 これ以外にも、同調回路の実効Q、分離度、実放送受信など多くの評価項目も考えられ興味は尽きませんが、それはまたの機会に譲りたいと思います。
 皆様の素晴らしい力作をつぶさに拝見させていただいたことは、審査員冥利に尽きるところです。
 なお、評価結果につきましてFaceBook上でコメントなどお寄せいただければ幸甚に存じます。









改定来歴:
 2018.May.31 最終化
 2018.May.20 作成開始





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